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女性雑誌と古典籍・古文書の専門図書館(私立)   Ishikawa Takeyoshi Memorial Library

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〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台2-9

  
●「職場雑話」88話(「お茶の水図書館」) 一部抜粋
  石川武美の図書館に対する思いが綴られています。
 これからの図書館は、死蔵図書の保管所ではこまる。新しい文化的の活動にも役だてねばならぬ。交通の便利な駿河台に、主婦の友社とならび、そういうものを建てたいものだ。
 図書館というものは、建造物よりもなかみだ。そのためには、日本の古来からの出版物はもちろん、外国のものも貴重なものが用意されているつもりだ。徳富蘇峰先生が、一生かけて蒐集されたもので、有名な「成簣堂文庫」の蔵書だけでも十余万冊はあるだろう。佐佐木信綱博士の「万葉集」関係のものなど、これも貴重なものであろう。<中略>このほかにも、古いものや、新しいものを通じて、日本文化の誇りとなるものが、かなりあるつもりだ。これだけでも金銭では、評価しきれぬものがあろう。
 “図書館を建てたい”と、わたしが夢みはじめたのは、子どものころからであった。東京の各図書館で、勉強していたころからだ。それに私の一生が、いつも出版物のなかですごしたので、この道をえらぶようになったまでだ。このためには、ひとさまの好意はかぎりなくうけたが、いまだに一銭の寄付も、うけずにここまできた。これからさきも、この方針でありたいとおもう。
 私のような小企業の一生でも、使ったつもりの金を貯え、さらに有利に利殖すれば、この程度のことはできるのだ。これが私の、六十年の職場生活の、総決算のひとつでもあろうか。
 これというのも、ながいあいだの読者方の、かぎりない支援のおかげである。いくら感謝しても、わたしの一生では、感謝しきれぬものがある。
               (『石川武美全集 第3巻』財団法人石川文化事業財団 昭和55年)

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